採用しても定着しない理由|能力だけではない組織との相性を考える

こんにちは。
フォーチュンネイジュの松田叡見以(エイミー)です。

皆さんは、新入社員が3年以内にどれくらい会社を辞めているかご存じでしょうか。

厚生労働省の調査によると、大学卒業者の約3人に1人(33.8%)、高校卒業者では約4割(37.9%)が、就職後3年以内に離職しています。

採用が難しい時代だからこそ、せっかく迎えた社員には長く活躍してほしい。

そう願っている経営者の方は多いでしょう。

しかし現実には、社員が次々と辞めてしまい、長く勤めるスタッフが育たない会社も決して珍しくありません。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。

目次

社員が辞める理由は一つではない

社員が会社を辞める理由はさまざまです。

「本当にやりたい仕事ではなかった。」

「人間関係がうまくいかなかった。」

「給料が思っていたより低かった。」

もちろん、それらも理由の一つでしょう。

しかし私は、多くの経営者の方々を鑑定してきた中で、もう一つ大きな要因があると感じています。

それは、経営者と社員との信頼関係です。

「石の上にも三年」の本当の意味

昔から「石の上にも三年」という言葉があります。

今の時代には古い考え方だと言われることもありますが、私は「三年間我慢しなさい」という意味ではなく、人が育つには時間が必要という教えなのだと思っています。

入社したばかりの頃は、会社のために働くというよりも、学ぶことの方が圧倒的に多い時期です。

仕事の進め方。

会社の文化。

社会人としての考え方。

お客様との接し方。

最初の数年間は、会社から多くのことを学び、自分を育てていく時間なのです。

だからこそ会社には、「三年かけて育てる」という覚悟が必要であり、新入社員にも「まずは三年やってみよう」という気持ちが大切なのではないでしょうか。

もちろん、その三年間には嫌なこともあります。

思っていた仕事と違うこともあるでしょう。

失敗して落ち込む日もあります。

それでも、人は「ここで頑張ろう」と思える環境があれば成長していくものです。

信頼は、一瞬で失われることがある

以前、こんなお話を伺ったことがあります。

ある会社でインターンをしていた大学生の女性のお話です。

その会社の社長は、業界でも実績のあるコンサルタントで、彼女は「この方から学びたい」という思いでインターンを始めました。

ある日、お昼の時間になり、彼女はスタッフ全員のお弁当を買いに行くことになりました。

一人ひとり希望を聞いて回りましたが、社長は大切なクライアントとの打ち合わせ中で、会議室から出てきません。

話しかけられる雰囲気ではなかったため、「終わったら何か召し上がるだろう」と考え、そのまま買い物へ向かいました。

スタッフの人がメモを渡して聞いてみて…などのアドバイスをしてくれても良かったですよね…

ところが買い物から戻ってくると、社長はものすごい剣幕で怒っていたそうです。

「私のランチはどうするの?なんで聞きに来ないの?」そのインターンではなくほかのスタッフに荒々しく・・・

もちろん、社長にも事情があったのでしょう。

忙しさや疲れが重なっていたのかもしれません。

「申し訳ありませんでした。」・・・心のどこかに自分で何とかしてもいいんじゃない?そんな思いもあったそうです。

結局、彼女にとって、その一件が大きな転機になりました。

「この人は本当に素晴らしい経営者だ。」

そう思っていた気持ちが、一瞬で冷めてしまったのです。

人の心とは、不思議なものです。

会社も同じです。

社員は毎日、社長の言葉や態度、判断を見ています。

そして、「この人についていきたい」と思えるかどうかを感じ取っています。

信頼は何年もかけて築かれるものですが、壊れるときは一瞬です。

経営者の器は日常に現れる

社員は、会社を辞めるのではなく、上司や経営者から卒業すると言われることがあります。

もちろん、すべての離職がそうではありません。

しかし、信頼関係が崩れてしまったとき、人の心はなかなか元には戻りません。

だからこそ経営者には、自分の感情をそのまま相手にぶつけるのではなく、一度立ち止まって考える冷静さが必要です。

社員は、社長の背中を見ています。

経営者の器とは、大きな経営判断だけではなく、日々の何気ない言葉や振る舞いの中にこそ、その人の本質が表れるものです。

人が育つ会社には共通点がある

長く成長し続ける会社には共通点があります。

社員を単なる労働力ではなく、一人の人間として大切にしていることです。

社員の話を聞く。

成長を喜ぶ。

失敗したら一緒に考える。

会社の未来を共有する。

社員を家族のように大切にする。

それは甘やかすことではありません。

一人ひとりの成長を願り、その可能性を信じることです。

会社の業績は、商品やサービスだけで決まるものではありません。

人が育ち、人が定着し、人が安心して働ける環境があってこそ、会社は長く成長していきます。

もし最近、「人が定着しない」「採用してもすぐ辞めてしまう」と感じることがあるなら、社員だけに原因を求めるのではなく、組織の流れや、経営者としてのご自身の在り方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

会社は、人で成り立っています。

人が育てば、会社も育つ。

私は、そう信じています。


経営者の判断や組織づくりでお悩みの方へ

フォーチュンネイジュでは、経営者の意思決定だけではなく、人材配置や組織づくり、事業承継などのご相談も承っています。

会社の運は、社長一人でつくるものではありません。

人が育ち、組織が整い、運の流れが変わることで、会社は次のステージへ進んでいきます。

運とタイミングという視点から、経営者の皆様のより良い判断をサポートしています。

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